ドコモ、au、Softbankといったキャリアとの契約を解約し、SIMフリーを活用している人が多くなってきています。 先日、僕もSoftbakから楽天モバイルへ変更したのですが、一つ気になることがあります。それは、「SIMフリーって災害時はどうなるの?」ということです。調べた結果と災害対策をまとめましたので、活用してください。
SIMフリー特有のリスク
多くの端末が自治体速報に対応していない
2016年9月1日にIIJ(インターネットイニシアティブ)が、ほとんどのSIMフリースマホが地震や津波といった標準的な緊急速報に対応している一方、自治体独自の速報には対応していないと発表しています。
IIJが以下のSIMフリースマホに対してテストをした結果、iPhoneを除くすべてのスマホについて、地震・津波情報は警告が表示されるが、自治体独自のメッセージは表示されませんでした。
テストした端末
- Arrows M02
- P9 Lite
- P8Lite
- GR5
- Ascend Mate7
- ZenFone Go
- ZenFone2 Laser
- Nexus 6
- iPhone 6
標準的な緊急速報と自治体防災情報
地震や津波といった標準的な緊急速報はETWSという仕組みで配信されます。また、自信・津波以外の情報配信のため、携帯電話会社のオペレーターが独自のメッセージを送る仕組みもあります。
日本の携帯電話・スマートフォンで使われている緊急速報のシステムは、ETWS(Earthquake Tsunami Warning System)という規格に基づいています。ETWSは3GPPという世界共通の携帯電話規格の一部であり、日本以外での利用も考慮されています。また、地震・津波以外の情報配信にも利用できるように、オペレーター(携帯電話会社)が独自に利用できる仕組みが設けられています。
これをdocomoでは「エリアメール」、auとSoftBankは「緊急速報メール」という名前でサービスしています。そして、各社のサービスでは、標準的な地震・津波情報以外に、自治体からの災害情報(避難情報など)を、ETWSのオペレーター独自のメッセージとして配信しています。
オペレーター独自のメッセージは自治体からの災害情報などに利用されます。避難場所などが配信されるため、こちらも重要なメッセージです。
これらは速報に対応していないと使えないため、今回のテストでメッセージが表示されたiPhoneを使うなど、災害時のことも考えて端末を選んだ方が安心です。
不安定な通信
MVNOはMNOから回線を借りています。
MVNO:楽天モバイルやIIJmioなど、SIMフリー通信を提供する会社
MNO:ドコモ、au、Softbankといった、回線設備を保有している会社
そのため、SIMフリーの通信は以下の流れになります。
スマホ → 基地局(キャリア) → MVNO
もし、基地局からMVNOへの回線にトラブルが遭った場合、そのMVNOを利用したユーザーは通信できなくなってしまいます。
さらに、基地局とMVNOの接続地点は少ないとされています。
ー携帯キャリアとの接続拠点は何カ所ありますか。
堂前氏
昨年までは東京のみだったのですが、サービスの信頼性を向上すべく今年に入って大阪にも設置し、現在は2拠点体制となっています。
これはIIJの話ですが、他のMVNOも同程度だと考えられます。
接続地点に障害が発生すれば、MVNOユーザーの通信は行えません。
回線のトラブルがどれほど起きるかは分かりません。災害時は、回線を保有しているMNOに比べ、MVNOは回線が不安定になると考えて対策しましょう。
災害対策
SIMフリー特有のリスクを踏まえ、キャリアスマホでもやるべき対策を紹介します。
アプリケーション
ヤフー防災速報
このアプリは、地震・津波・豪雨・洪水・避難場所などの災害情報を通知してくれます。登録した場所(国内最大3箇所まで)だけでなく現在地の情報も通知されます。
Yahoo!防災速報は「緊急速報」とは異なるため、SIMフリースマホでも利用できます。通知が表示される設定にしておきましょう。
防災情報 全国避難所ガイド
避難所を検索し、道案内してくれるアプリです。どこで災害に遭うか分かりませんので、インストールをお勧めします。
コミュニケーションアプリ
今回の震災では、テレビ・ラジオなどの既存メディアに加え、ツイッターに代表されるインターネットを使ったソーシャルメディアが情報伝達ツールとして一定の役割を果たしたことが、阪神・淡路大震災の時とは大きく異なる特徴として挙げられる。なかでもツイッターは、地震発生から1時間以内に東京からだけで毎分1200件以上のツイートが投稿され、地震の発生翌日(3月12日)の新規加入者数は前月(2月)の1日あたりの新規加入者数46万人を大きく上回る57万2000人にのぼるなど、多くの人がツイッターを通して活発な情報交換を行った。また、このほかのソーシャルメディアもフェイスブックが友人・知人の安否確認に用いられたり、ユーストリームなどの動画配信もテレビの災害報道を同時配信することでサイトの訪問者数を大きく伸ばすなど、ソーシャルメディアはこの震災を機に情報伝達ツールとしての社会的ポジションを確立するための大きな一歩を踏み出したといえる。
災害時には通信回線が混雑すると予想されます。今のうちにLINEやTwitterなどのアカウントを用意しておきましょう。
Twitterアラートなど、SNSには災害対策機能が備わっていることがあります。ユーザーが使えないと意味がありませんので、確認しておきましょう。
SNSの注意点として、デマの拡散が挙げられます。Twitterでの対策として、以下のような公式の災害用アカウントをフォローしておき、リスト化しておくことをお勧めします。
首相官邸(災害・危機管理情報) (@Kantei_Saigai) | Twitter
総務省消防庁 (@FDMA_JAPAN) | Twitter
NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) | Twitter
Twitterライフライン (@TwitterLifeline) | Twitter
所属している自治体の公式アカウントもフォローしておきましょう。
災害時のサービスを把握
無料災害用Wi-Fiスポット「00000JAPAN」
「00000JAPAN」という災害時に利用できるWi-Fiスポットがあります。これは、Wi-Fiに接続可能であれば、キャリアなどに関係なく利用できます。もちろん、SIMフリースマホでも利用可能です。
詳しくガイドラインは以下のリンクを参照してください。
大規模災害時における公衆無線LANの無料開放について | 無線LANビジネス推進連絡会【WiBiz(ワイビズ)】無線LANビジネス推進連絡会【WiBiz(ワイビズ)】
災害用伝言板
災害用伝言板を使うと、被災時の自分の状況を登録、公開できます。伝言板へ書き込む「登録」と、書き込みを見る「検索」を扱える状態にしておきましょう。
キャリア(ドコモ、au、Softbank)では専用の災害用伝言板を利用できます。
MVNOユーザーはweb171という災害用伝言板が利用できます。このサービスはキャリアの災害用伝言板も検索できます。
他にも、Googleパーソンファインダー(体験版)やJ-anpi(体験版)といったサービスもあります。自分のスマホでは何が使えるのかしっかりと把握しておきましょう。
災害用伝言ダイヤル
伝言板の他に、音声のやり取りを行なえるサービスもあります。
- 1 7 1 をダイヤルする
- ガイダンスに従って、録音の場合は 1 を、再生の場合は 2 を押す
- ガイダンスに従って、連絡をとりたい方の電話番号を入力する
(03等の市外局番で始まる電話番号の場合、市外局番から入力) - 伝言の録音・再生が始まる
Googleクライシスレスポンス
災害時に使えるGoogleのサービスをまとめたものです。こちらからGoogleパーソンファインダーを利用することもできます。
端末や周辺機器を揃える
緊急速報に対応したスマホ
こちらのサイトでまとめられていました。参考にしてください。
防水・防塵・耐衝撃スマホ
防水スマホでなければ、雨が降っただけで使えなくなってしまいます。せめて防水機能だけでも備わっているスマホを利用することをお勧めします。
パナソニックにはTOUGHシリーズというものがあり、他のメーカーよりも頑丈さにおいて信頼できます。以前、僕はパナソニックエコテクノロジーセンターへ工場見学に行ったのですが、そこでは様々な耐久試験が行われていました。また、Let's note CF-AX2を使い始めて5年目に突入しましたが、トラブルなく使えています。
また、防水ケースなどを利用するのも良いと思います。
5mまでの防水、2mの高さからの衝撃も耐える設計をしています。
こちらの商品はカラーバリエーションが豊富です。頑丈なケースはゴツゴツしてるし黒だし嫌という人にお勧めです。
ソーラーパネル付きのケースです。充電できます。
モバイルバッテリー
バッテリーにも注意する必要があります。最低でも一つはモバイルバッテリーを用意しておきましょう。
モバイルバッテリーといえばやっぱりAnkerですね。とても人気のある商品です。
こちらは現在(2017年4月24日)、15%のキャッシュバックをやっており、楽天の中ではランキング1位です。
みんな大好きなダンボー。6色あります。
こちらはソーラーパネル付きです。
手回し発電機
緊急用の手回し発電機があればスマホの充電ができます。
放射線センサ
スマホに付けて計測できるガジェットを紹介しようと思っていたのですが、どうやら精度が低いみたいなので、しっかりとしたセンサーをお勧めします。医療機器メーカーが作っているため信頼できます。
ワンセグ機能付きのガラケー
ワンセグは電話回線を使わないため、回線契約を解約していても使えるものがあります。昔使っていたガラケーを確認してみましょう。
スマホに頼りすぎない
そもそも、スマホに頼ることを前提としていては、十分な災害対策とはいえません。スマホが無い状態で生活した場合のシミュレーションをして、つまづくところを予想しておきましょう。
避難場所を確認しておく
自治体の避難場所を確認しておきましょう。また、家族と災害時の行動について決まり事を作っておきましょう。
重要な情報は印刷しておく
特にSIMフリーは通信が不安定になることが予想されるため、避難場所や避難経路、家族との決まり事を印刷して携帯しておきましょう。
災害時に役立つ情報
今日から始める私の防災のページ : 防災情報のページ - 内閣府
災害時は日常と大きく異なります。しっかりと対策をしておきましょう。